前田恒彦さん 元特捜部主任検事

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7d40b1f4f8e633cb8ef865d72b96ab15cbeea9b8

●辞めさせたい裁判官がいれば、投票用紙に印刷された裁判官名の上部の欄に「×」を書く。

●空欄の裁判官は「信任した」とみなされる。

●有効票のうち「×」が50%超の裁判官だけが辞めさせられる。

制度が始まった1949年以降、過去25回の審査で辞めさせられた裁判官は一人もいない。

(1) 尾島明(元大阪高裁長官・66歳)

(2) 宮川美津子(弁護士・64歳)

(3) 今崎幸彦(元東京高裁長官・66歳)

(4) 平木正洋(元大阪高裁長官・63歳)

(5) 石兼公博(元外交官・66歳)

(6) 中村愼(元東京高裁長官・63歳)

🧑‍⚖️憲法

【性の多様性】

●戸籍上は男性だが女性として生きるトランスジェンダーの経産省職員に対し、執務室に近い女性トイレの使用を制限した人事院の措置は違法か?

 <違法>今崎幸彦(ただし、社会全体で議論してコンセンサスを形成すべき問題である上、不特定多数の人が利用する公共トイレに関して判断したわけではないとの補足意見)

●戸籍上の性別変更要件として生殖能力をなくす手術を求める性同一性障害特例法の規定は違憲か?

 <違憲>尾島明、今崎幸彦(ただし、2人とも直ちに性別の変更を認めるべきという意見には賛成せず、「変更後の性別に似た外観を備える」という別の要件に関する再審理を求めて高裁に差し戻し)

●犯罪被害者等給付金支給法が規定する遺族給付金の対象である事実婚には同性のパートナーも含まれるか?

 <含まれない>今崎幸彦(「含まれる」という多数意見に反対)

●性別適合手術を受けて戸籍上の性別を男性から女性に変更後、それまでに凍結保存していた自らの精子で生まれた子について、父親としての認知による親子関係は認められるか?

 <認められる>尾島明

【個人の尊厳と平等原則】

●精神障害や知的障害などに基づく強制不妊手術を可能としていた旧優生保護法の規定は違憲か?

 <違憲>尾島明、宮川美津子、今崎幸彦、石兼公博

【一票の格差と選挙制度】

●一票の格差が最大2.08倍だった2021年の衆院選は違憲か?

 <合憲>尾島明、今崎幸彦

●一票の格差が最大3.03倍だった2022年の参院選は違憲か?

 <合憲>今崎幸彦 <違憲状態>尾島明

【表現の自由】

●護憲派の市民グループによる市役所前広場の集会使用を不許可とした金沢市の処分は違憲か?

 <合憲>今崎幸彦

●薬物事件を起こした俳優の出演を理由として映画「宮本から君へ」に対する助成金交付を取り消した日本芸術文化振興会の処分は違法か?

 <違法>尾島明

【生存権と年金制度】

●年金の支給額を段階的に引き下げる国民年金法などの規定は違憲か?

 <合憲>尾島明

【国会・地方議会制度】

●森友学園問題などを審議する必要があるとして臨時国会の召集を求めた野党議員は、3カ月余りにわたって召集に応じなかった安倍内閣により損害を受けたとしてその賠償を請求できるか、また、この不召集は違憲か?

 <請求できない+憲法判断には踏み込まず>今崎幸彦

●選挙買収で当選無効となった元大阪市議会議員は有罪判決確定までに受け取っていた議員報酬を返還する必要があるか?

 <必要なし>今崎幸彦(「必要あり」という多数意見に反対)

🧑‍⚖️刑事&民事

●孤立出産に追い込まれた技能実習生のベトナム人女性が死産した赤ちゃんの遺体をタオルに包んで段ボール箱に入れ、自宅の棚に置いた行為は死体遺棄罪の「遺棄」にあたり有罪か?

 <「遺棄」にあたらず無罪>尾島明

●1961年に名張市で毒ぶどう酒を飲ませて5人を殺害、12人に重軽傷を負わせたとして死刑判決が確定し、執行前に医療刑務所で病死した男性の事件について、再審開始を認めるべきか?

 <認めるべきではない>今崎幸彦

●福岡県内の自宅で妻と9歳の長男、6歳の長女を窒息死させて殺害したとされるものの、関与を全面的に否認する元警察官の夫に対する死刑の量刑は妥当か?

 <妥当>今崎幸彦

●無期懲役にとどまった首謀者である共犯者と共謀の上、元暴力団組員や元会社社長ら3人を次々と姫路で監禁、殺害するなどしたものの、うち2人の遺体が発見されていない実行役の男に対する死刑の量刑は妥当か?

 <妥当>尾島明

●旧統一教会に対する高額献金を巡り、返金や賠償の請求権を放棄するという元信者の念書は有効か?

 <無効>宮川美津子

🧑‍⚖️私見

最高裁の裁判官は任命後に初めて行われる衆議院議員総選挙の際に国民審査を受ける決まり
ある程度実績があってから判断しないと、新人の場合はまだ判断しようがない。

今回も、6人の裁判官のうち平木正洋裁判官の就任は今年8月、中村愼裁判官に至っては9月だから、彼らが最高裁で関与した著名な裁判はなく、判断材料が乏しい。

 10年経過後の再審査制度もあるが、60歳超で就任しているので、現実には70歳の定年まで再審査はない。いったん国民審査で信任されれば、以後の実績や判断内容を問わず、そのまま定年まで勤め上げることになる。

👱🏻‍♀️最高裁裁判官だけでなく、高裁、地裁、家裁の裁判官もジャッジしたい。また、毎年ジャッジしてもいいくらい。やらかし判決を出した直後に国民はジャッジしたいくらいじゃないかな?

弁護士.com→Yahoo!NEWS提供

https://news.yahoo.co.jp/articles/14362811eee9b55fac3faa823198028959bbcd8b?page=2

<尾島 明>  (おじま あきら、1958年(昭和33年)9月1日生。2022年7月5日~最高裁判事) 東京大学法学部卒・裁判官出身。趣味はフルートの演奏や演劇・美術鑑賞。

最高裁で関わった主な事件として、2022年の参院選における一票の格差について「違憲状態」にあると判断しています(2023年10月18日)。

また、男性から性別変更をした女性が、性別変更前に凍結保存した精子で生まれた子の認知を求めることができるかが問題となったケースで、認知ができると判断しました(2024年6月21日)。

尾島裁判官は、この裁判で補足意見を付しており、子の福祉を重視する考え方を示しています。

さらに、旧優生保護法により不妊手術を強制された人たちが、国に損害賠償を求めた裁判で、旧優生保護法を違憲と判断しています(2024年7月3日)。

<宮川 美津子> (みやがわ みつこ、1960年(昭和35年)2月13日生。2023年11月6日~最高裁判事) 東京大学法学部卒・弁護士出身。趣味は観劇(特に歌舞伎や文楽等の伝統芸能)、音楽鑑賞(クラシックから米津玄師、藤井風、King Gnu、YOASOBI等まで幅広い)、ゴルフ。

最高裁で関わった主な事件として、旧優生保護法により不妊手術を強制された人たちが、国に損害賠償を求めた裁判で、旧優生保護法を違憲と判断しています(2024年7月3日)。

また、飲酒運転を理由に懲戒免職となった公務員が、退職手当(1620万4488円)を支給されなかったことについて、不支給処分には裁量の逸脱・濫用はない(=結論として不支給は適法)とする多数意見に立っています(2024年6月27日)。

<今崎 幸彦> (いまさき ゆきひこ、1957年(昭和32年)11月10日生。2022年6月24日~最高裁判事、2024年8月16日~最高裁長官) 京都大学法学部卒・裁判官出身。趣味は「無趣味といってよいよう」ですが、あえていえば読書、音楽鑑賞(ジャズ・ロック・クラシック)だそうです。

最高裁で関わった主な事件として、名張毒ぶどう酒事件の10回目の再審請求で、再審を認めない多数意見に立っています(2024年1月29日)。

また、旧優生保護法により不妊手術を強制された人たちが、国に損害賠償を求めた裁判で、旧優生保護法を違憲と判断しています(2024年7月3日)。

さらに、トランスジェンダーのトイレ使用を制限したことを違法と判断しています(2023年7月11日)。

この事件は非常に大きな反響を呼びました。結論としては、裁判官全員一致(今崎裁判官のほか、宇賀克也、林道晴、長嶺安政、渡邉惠理子裁判官の5名による判決)で、トイレ使用の制限を違法と判断しています。

その理由の中で、以下のような具体的な事情を考慮し、本件では、本人が女性用トイレを使用することでトラブルが生じることは以下の理由から、想定しがたいとしています。

・トランスジェンダー本人が1998年頃から長期にわたり女性ホルモンの投与を受け、男性ホルモン量が同世代の男性の基準値の下限を大きく下回っており、性衝動に基づく性暴力の可能性が低いという医師の診断があったこと

・2010年に行われた説明会の後から、本人は、使用者(経済産業省)側の処遇にしたがって、執務階と2階離れた女性トイレを使用していたが、本人の女性トイレ使用によるトラブルは起こっていないこと

・説明会の際、本人の女性トイレ使用に明確に異を唱える職員はいなかったこと

・トイレ使用についての見直しは、この間検討されてもいないこと 今崎裁判官は、この事件でさらに以下のような趣旨の補足意見を述べています。

・本人は2008年ころから、私的な時間のすべてを女性として過ごしているが、問題が生じたことはない

・事案ごとの個別具体的な解決が必要であり、一律の解決にはなじまない。同じトイレを使用する他の職員への説明や納得が必要である。

・本判決は、トイレを含め、不特定または多数の人々の使用が想定される公共施設の使用のあり方について触れるものではない。 最高裁のウェブサイトで判旨が公開されているため、正確な情報が知りたい方はそちらをご覧ください。

<平木 正洋> (ひらき まさひろ、1961年(昭和36年)4月3日生。2024年8月16日~最高裁判事)  東京大学法学部卒・裁判官出身。趣味は演劇やコンサート鑑賞。文楽、歌舞伎、落語、吉本新喜劇、宝塚歌劇、都をどりなど。

最高裁判事となったのが2024年8月16日と最近であるため、最高裁判事として関わった主な事件は見つかりませんでした。

<石兼 公博> (いしかね きみひろ、1958年(昭和33年)1月4日生。2024年4月17日~最高裁判事) 東京大学法学部卒・行政官出身。趣味は読書、音楽、観劇、旅行、食べ歩き。

最高裁判事として関わった主な事件としては、旧優生保護法により不妊手術を強制された人たちが、国に損害賠償を求めた裁判で、旧優生保護法を違憲と判断しています(2024年7月3日)。

最高裁判事となったのが2024年4月17日と割と最近であるため、他の主な事件は見つかりませんでした。

<中村 愼> (なかむら まこと、1961年(昭和36年)9月12日生。2024年9月11日~最高裁判事) 京都大学法学部卒・裁判官出身。オフの過ごし方はウォーキング、水泳。歴史、自然科学の本を読むこと、音楽を聴くことで気分転換するそうです。

最高裁判事となったのが2024年9月11日と最近であるため、最高裁判事として関わった主な事件は見つかりませんでした。